糖尿病と歯周病の関係性│国分寺の歯医者|こばやし歯科医院|歯周病専門医在籍|

  • 国分寺駅北口徒歩2分
  • 全ユニット完全個室
  • 平日18時・土曜診療

診療時間9:00~12:00 / 14:00~18:00休診日:日・祝

国分寺で唯一の
「歯周病専門医」

TEL 042-400-2004【診療時間】
9:00 - 12:00 14:00 - 18:00
【休診日】
日曜・祝日

WEB予約

Instagram Instagram

新着情報

糖尿病と歯周病の関係性

糖尿病と歯周病の関係について

はじめに

糖尿病と歯周病は、一見すると全く異なる病気のように思われがちです。しかし、近年の研究により両者の間には密接な関係があることが明らかになってきました。糖尿病は血糖値のコントロールがうまくいかなくなる全身疾患であり、歯周病は口腔内の慢性的な炎症による生活習慣病のひとつです。両者は互いに悪影響を及ぼし合う「双方向性の関係」を持ち、悪循環を引き起こすことが知られています。


糖尿病とは

糖尿病は、インスリンの分泌や作用の不足により、血糖値が慢性的に高くなる病気です。主に1型糖尿病と2型糖尿病があり、日本では生活習慣に深く関わる2型糖尿病が大多数を占めます。血糖値が高い状態が続くと、血管や神経に障害が起こり、網膜症・腎症・神経障害といった合併症のほか、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高まります。


歯周病とは

歯周病は、歯垢(プラーク)中の細菌が引き起こす慢性的な炎症性疾患です。歯ぐきが腫れたり出血したりする「歯肉炎」から始まり、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が破壊される「歯周炎」へと悪化します。放置すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちてしまうこともあります。日本人の成人の約8割が何らかの歯周病にかかっているとされ、国民病のひとつです。


糖尿病が歯周病に与える影響

糖尿病患者は歯周病になりやすく、かつ悪化しやすいことが知られています。その理由として以下のような点が挙げられます。

  1. 免疫機能の低下
    高血糖状態では白血球の機能が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まります。その結果、歯周病菌に感染しやすくなり、炎症が重症化しやすくなります。

  2. 血管の障害
    糖尿病では毛細血管が障害されやすく、歯肉の血流が悪化します。これにより炎症を抑えるための栄養や酸素の供給が不十分となり、歯周組織の修復が遅れます。

  3. 高血糖による組織変化
    高血糖により生じる「AGEs(終末糖化産物)」が組織や細胞に蓄積し、炎症を促進する物質を増加させます。これが歯周病の進行を助長します。


歯周病が糖尿病に与える影響

逆に、歯周病は糖尿病を悪化させる要因にもなります。

  1. 炎症物質の影響
    歯周病では、炎症によって「サイトカイン」と呼ばれる炎症性物質が血流に乗って全身へ拡散します。これらはインスリンの働きを妨げ、血糖値を下げにくくします。

  2. インスリン抵抗性の増強
    慢性炎症が続くことでインスリン抵抗性が高まり、糖尿病がコントロールしにくくなります。

  3. 悪循環の形成
    高血糖 → 歯周病悪化 → 炎症物質増加 → 血糖コントロール悪化、という悪循環が形成されます。


研究によるエビデンス

多くの臨床研究により、歯周病治療を行うことで血糖値(HbA1c)が改善することが報告されています。例えば、スケーリングやルートプレーニングといった歯石除去、歯周外科治療、さらには抗菌療法などを組み合わせることで、平均してHbA1cが0.4〜0.6%程度改善するというデータがあります。これは糖尿病治療薬を1種類追加した場合と同等の効果に匹敵するとも言われています。


予防と対策

糖尿病と歯周病の悪循環を断ち切るためには、以下の取り組みが重要です。

  1. 血糖コントロール
    食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせ、適切な血糖値を維持することが基本です。

  2. 歯科での定期検診
    糖尿病患者は年に数回の歯科検診を受けることが推奨されます。早期に歯周病を発見・治療することで、全身への悪影響を防げます。

  3. 正しい口腔ケア
    毎日の丁寧な歯磨き、デンタルフロスや歯間ブラシの使用、抗菌性洗口剤の活用が効果的です。

  4. 医科と歯科の連携
    糖尿病治療と歯周病治療を並行して行うことで、より良い全身管理が可能になります。


おわりに

糖尿病と歯周病は互いに影響を与え合い、悪循環を引き起こすことがわかっています。そのため、糖尿病患者にとって歯周病の予防・治療は非常に重要です。逆に、歯周病のある人が糖尿病を発症している可能性もあるため、口腔内の健康は全身の健康と直結していると言えるでしょう。今後は医科と歯科が連携し、患者の全身管理に取り組むことがますます求められます。

監修者情報

こばやし歯科医院
〒185-0012
東京都国分寺市本町2-9-21
Tel:042-400-2004

© 2024 国分寺の歯医者|こばやし歯科医院|
歯周病専門医在籍|国分寺駅北口徒歩2分