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歯医者が怖いと思う理由

歯医者が怖いと感じる理由
歯科医院に通うことに対して「怖い」「できれば行きたくない」と思う人は少なくありません。むしろ「歯医者が怖い」という感覚は、多くの人に共通する普遍的な感情だといえます。なぜ、歯医者に対して恐怖心が生まれるのでしょうか。その背景には、心理的要因、過去の経験、治療の特性、さらには社会的なイメージまで、さまざまな理由が存在します。ここでは、代表的な要因を詳しく整理していきます。
1. 痛みに対する恐怖
歯医者を怖いと感じる最大の理由のひとつが「痛み」に対する不安です。歯科治療は虫歯の除去や歯石の除去、麻酔の注射、神経の処置など、歯や歯ぐきといった敏感な部分を扱います。口の中は神経が集中しているため、少しの刺激でも強い痛みを感じやすい場所です。
かつては麻酔技術や器具が未発達だったため、歯科治療といえば「痛みを我慢するもの」というイメージが強く根付いていました。その経験をした親や祖父母が「歯医者は痛い」と語ることで、世代を超えて恐怖心が刷り込まれるケースも少なくありません。
現代では無痛治療を目指した技術が進歩していますが、過去のイメージが強いため、「どうせ痛いに違いない」と思い込んでしまう人が多いのです。
2. 音や振動への嫌悪感
歯を削るときの「キーン」という高音や、機械の振動は、多くの人にとって不快そのものです。この音を聞いただけで体が緊張したり、汗をかいたりする人もいます。これは条件反射的な恐怖反応であり、実際に痛みを感じていなくても「これから痛みが来る」と脳が予測してしまうため、余計に怖さが増幅されるのです。
また、歯科医院特有の薬品や消毒液の匂いも、過去の嫌な体験を思い出させるきっかけになり、恐怖を強める要因となります。
3. 自分のコントロールが効かない状況
歯科治療では、患者は診療台に横たわり、口を大きく開けたまま器具を使われます。その間、患者は自由に話したり、動いたりできません。この「自分の意思で状況をコントロールできない」という感覚が、恐怖や不安を強めます。
特に不安障害や過去のトラウマがある人にとっては、「動けない」「声が出せない」という無力感が大きなストレスとなり、「逃げられない恐怖」を感じやすくなるのです。
4. 過去のつらい体験
子どものころに痛い治療を受けた経験や、歯医者で泣いた記憶が、大人になっても恐怖心を残すことがあります。脳は「痛み」と「歯医者」を強く結びつけやすく、一度の嫌な体験が長期的に影響するのです。
また、治療中に「我慢しなさい」と叱られたり、意思を尊重してもらえなかった経験もトラウマとなり、歯医者を避ける理由になります。
5. 麻酔や治療への不安
「麻酔が効かなかったらどうしよう」「副作用は大丈夫かな」といった不安も、歯医者への恐怖につながります。また、抜歯やインプラントのような外科的処置に対しては、血や器具を想像するだけで怖くなる人もいます。
さらに「治療中に気分が悪くなったらどうしよう」といった心配も、恐怖を強める要因です。
6. 費用や時間に関するストレス
歯科治療は1回で終わらないケースが多く、通院の必要があります。「何度も通わなければならない」「費用がどのくらいかかるかわからない」といった不安も、心理的な負担を増やします。特に、治療費に関する心配は「できるだけ歯医者に行きたくない」と感じさせる大きな理由です。
7. 社会的イメージと情報
映画やドラマ、漫画などで「歯医者=痛い・怖い」と表現されることが多く、それが無意識に影響しています。加えて、インターネット上で「治療が痛かった」という体験談を読むと、自分もそうなるのではと想像して不安が増幅されます。
また、歯科医院に対する口コミや評価が二極化している場合、「失敗されたらどうしよう」と考えてしまい、恐怖の一因になります。
8. 恥ずかしさや自己否定感
「歯がボロボロで見られるのが恥ずかしい」「口臭を指摘されるのが怖い」といった羞恥心も、歯医者を避けたくなる理由の一つです。歯科医師やスタッフに「自己管理ができていない」と思われるのではないかと感じ、治療そのものよりも人間関係の心理的負担が恐怖につながるケースもあります。
歯医者の恐怖を和らげるために
歯医者が怖いと感じることは自然なことです。しかし、恐怖心から受診を避けると、虫歯や歯周病が悪化し、さらに大きな治療や痛みにつながってしまいます。恐怖を和らげる方法としては以下が挙げられます。
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無痛治療を積極的に取り入れている医院を選ぶ
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カウンセリングで不安を伝える
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歯科医師やスタッフとの信頼関係を築く
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静脈内鎮静法など、リラックスできる方法を利用する
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短時間・少しずつ治療してもらう
恐怖を理解し、対策を講じてくれる歯科医院を選ぶことで、通院のハードルはぐっと下がります。
まとめ
歯医者が怖いと感じる理由は、痛みや音、不快な体験、心理的な無力感、社会的なイメージなど多岐にわたります。これらは人間が本能的に「痛み」や「拘束感」を避けようとする反応でもあり、誰にでも起こり得る自然な感情です。大切なのは、恐怖心を恥じるのではなく、「どうしたら安心して通えるか」を考えることです。現代の歯科医療は進歩しており、患者の不安を軽減する工夫も増えています。恐怖心を理解し、適切な対応を選ぶことで、「歯医者=怖い」という固定観念を少しずつ和らげることができます。
監修者情報

こばやし歯科医院
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