歯がなくなった時の治療法│国分寺の歯医者|こばやし歯科医院|歯周病専門医在籍|

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歯がなくなった時の治療法

歯がなくなった時の治療法

歯周病、虫歯、外傷で歯がなくなった場合抜けた部分をそのままにしておくと、見た目が悪くなるだけでなく、隣の歯が倒れてきたり噛み合わせのはが伸びてきて噛み合わせが崩れてきます。

歯のない部分を補い、審美性や機能を覚悟するための歯科治療を 欠損補綴(けっそんほてつ) といいます。

1. 欠損補綴とは

歯は食事・会話・審美性など、人間の生活に大きな役割を果たしています。しかし虫歯や歯周病、外傷などにより歯を失うことがあります。このように歯が欠損した場合、そのまま放置すると咀嚼機能の低下だけでなく、隣在歯や対合歯の移動、顎関節への負担、さらには全身の健康への悪影響を及ぼすことも少なくありません。そこで欠損した歯を補う治療を「欠損補綴(けっそんほてつ)」と呼びます。補綴とは「補い、綴じる」という意味で、歯を人工的に再建する治療全般を指します。

2. 欠損補綴の目的

欠損補綴の目的は以下のように多岐にわたります。

  1. 咀嚼機能の回復:食べ物をしっかり噛めるようにする。

  2. 発音機能の改善:歯の欠損は発音に影響することがあり、補綴によって明瞭な発音を取り戻す。

  3. 審美性の回復:前歯の欠損は見た目に大きく影響するため、自然な見た目を取り戻す。

  4. 咬合の安定:欠損を放置すると歯列が乱れ、咬み合わせが不安定になる。

  5. 顎関節や残存歯の保護:咬合バランスが崩れると顎関節症や残存歯の過負担につながるため、これを防ぐ。

つまり欠損補綴は単に「歯を作る」だけでなく、口腔機能全体と健康を守るための重要な治療なのです。

3. 欠損補綴の種類

欠損補綴には大きく分けて ①固定性補綴、②可撤性補綴、③インプラント補綴 の3つがあります。それぞれ特徴を解説します。

3-1. 固定性補綴(ブリッジなど)

固定性補綴は、欠損部の両隣の歯を支えとして橋渡しするように人工歯を装着する方法で、代表的なのが ブリッジ です。

  • 利点:装着後の違和感が少なく、取り外しの必要がない。咀嚼力も天然歯に近い。

  • 欠点:支台歯を大きく削る必要があり、健康な歯に負担をかける。清掃が難しい部位ができやすい。
    また、単独で大きな欠損を補うのは困難であり、複数歯が欠けている場合は適応外になることもあります。

3-2. 可撤性補綴(部分入れ歯・総入れ歯)

可撤性補綴は、患者が自分で取り外しできる補綴物で、部分入れ歯や総入れ歯が含まれます。

  • 部分入れ歯:残存歯に金属のバネやアタッチメントで固定し、人工歯を補う。

  • 総入れ歯:歯をすべて失った場合に使用し、粘膜の吸着力や顎堤の形態を利用して安定させる。

  • 利点:適応範囲が広く、複数歯や全顎の欠損にも対応可能。歯を大きく削らずに済む。

  • 欠点:違和感が強いことがあり、咀嚼力は天然歯の数割程度にとどまる。バネの審美性や残存歯への負担も問題になる。

3-3. インプラント補綴

インプラント補綴は、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を固定する方法です。

  • 利点:隣在歯を削らずに済む。固定式で違和感が少なく、咀嚼力も天然歯に近い。長期的な安定性が高い。

  • 欠点:外科手術が必要で、全身状態や骨量によっては適応できない。治療費が高額になりやすい。メインテナンスを怠るとインプラント周囲炎のリスクがある。

4. 欠損補綴の選択に影響する要因

補綴方法の選択は、単に「患者の希望」で決まるわけではなく、多くの要因が考慮されます。

  • 欠損の部位・範囲:前歯か臼歯か、単独か多数か。

  • 残存歯の状態:支台歯にできるか、歯周病の有無、咬合力に耐えられるか。

  • 顎堤や粘膜の形態:入れ歯の適合性に大きく関わる。

  • 患者の年齢・全身状態:手術の可否、治療への適応能力。

  • 経済的要因:自由診療となるインプラントやセラミック補綴は費用負担が大きい。

  • 患者の希望:審美性を重視するか、取り外し可能なものを望むかなど。

これらを総合的に診断し、歯科医師と患者が相談して最適な治療法を選択します。

5. 欠損補綴を行わない場合のリスク

歯を失ったまま放置すると以下のような問題が起こります。

  1. 隣在歯の傾斜や挺出:欠損部に隣の歯が倒れ込み、対合歯が伸びてくる。

  2. 咬合崩壊:噛み合わせ全体が乱れ、顎関節症や咀嚼障害を招く。

  3. 審美性の低下:前歯部では見た目に大きな影響。

  4. 発音障害:特定の発音が不明瞭になる。

  5. 全身への影響:噛めないことによる栄養状態の悪化や消化器への負担。
    このように補綴治療は機能回復だけでなく、口腔および全身の健康を維持するために不可欠です。

6. 欠損補綴とメインテナンス

補綴治療が完了した後も、長期的に良好な状態を維持するためには定期的なメインテナンスが重要です。

  • ブリッジ:支台歯の二次カリエスや歯周病に注意し、歯間ブラシやフロスを併用する。

  • 入れ歯:粘膜の変化に合わせて調整し、清掃を怠らない。

  • インプラント:インプラント周囲炎を防ぐために、プロフェッショナルケアとセルフケアを徹底する。

いずれの場合も、定期検診とクリーニングは欠かせません。

 

まとめ

欠損補綴は単なる「歯の代用品」ではなく、咀嚼・発音・審美・咬合の安定など、口腔機能全体を守るための重要な治療です。ブリッジ、入れ歯、インプラントとそれぞれに利点と欠点があり、患者様の口腔内条件や生活背景を考慮して最適な治療法が選ばれます。また、治療後のメインテナンスも不可欠であり、長期的な健康維持のために患者様と歯科医師が協力していくことが求められます。

監修者情報

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