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定期検診をしていたのに、むし歯があると言われたら?

定期検診を受けていたのに、急に「むし歯がある」と言われたら?

みなさんはこんな経験はありませんか?「毎回きちんと通っていたのに、なぜ今になってむし歯が見つかったの?」。そう驚いたり、前回の検診では見落とされていたのではと不安になったりするのは自然なことです。まず知っておきたいのは、「今回初めて見つかった」ことと、「前回の検診後に突然できた」ことは同じではないという点です。むし歯ができた場所や進み方、以前に行った検査によって、見つかる時期は変わります。

むし歯が前回は見えにくかった可能性

歯の表面は直接観察できますが、歯と歯の間、詰め物や被せ物の周囲などは見えにくい場所です。日本歯科医師会も、歯と歯の間には直接見えないむし歯ができやすく、治療済みの歯の周囲に新たなむし歯ができることがあると説明しています。前回の診察で異常がはっきりしなかった部分が、今回の検査で確認できるようになった可能性があります。

特に歯と歯の間のむし歯は、外から見える変化が小さくても、レントゲン写真で見つかる場合があります。ただし、レントゲンにも限界があり、初期の変化を必ず捉えられるわけではありません。診断には、口の中での観察や過去の写真との比較などを組み合わせます。そのため初診時の細かなレントゲン撮影は最初の状態を知っておく上でとても大切です。

「定期検診に通っていたのにレントゲンを毎回撮っていなかったから、見逃されたのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、レントゲンを撮る必要性や間隔は全員同じではありません。口の中の状態、年齢、むし歯のなりやすさ、症状、以前の画像などを踏まえて判断します。毎回撮影することが、必ずしも適切とは限らないのです。

経過観察していた部分が進んだ可能性

むし歯には、歯に穴が開く前の段階があります。歯の表面からミネラルが失われても、唾液の働きやフッ化物の利用によって、進行を止めたり、状態を改善したりできる場合があります。そのため、小さな変化が見つかった時点で必ず削るのではなく、予防を続けながら経過を観察することがあります。

この場合、前回も変化は把握していたものの、当時は「削らずに様子を見る」と判断され、今回は進行が認められた、という経過かもしれません。一方で、患者さんにその説明が伝わっていなければ、突然むし歯を告げられたように感じるでしょう。「前回の時点で変化はありましたか」「経過観察中の歯でしたか」と聞いてよいことです。

反対に、前回まで異常が認められず、その後に新しくむし歯ができた可能性もあります。むし歯は、細菌が糖分などを利用して作る酸に歯が繰り返しさらされ、歯の修復が追いつかなくなることで進みます。食事や間食の回数が増えた、甘い飲み物を少しずつ飲む習慣がついた、歯間清掃がしにくくなったといった変化が、影響することもあります。

定期検診だけで、むし歯を完全に防げるわけではない

定期検診は、むし歯の予防や早期発見に役立ちます。しかし、受診している間の毎日のお口の環境まで、検診だけで一定に保つことはできません。毎日の歯みがきに加え、歯と歯の間に合ったフロスや歯間ブラシの使用、フッ化物配合歯みがき剤の活用などが大切です。どこに汚れが残りやすいかは人によって違うため、今回むし歯が見つかった場所に合わせて、清掃方法を教わることが予防につながります。

大人では、以前治療した歯の周囲だけでなく、歯ぐきが下がって露出した歯の根元にも注意が必要です。「いつも同じように磨いている」つもりでも、歯や歯ぐきの状態が変われば、汚れの残りやすい場所も変わります。今回の発見を、今の自分に合った予防方法を見直す機会にしましょう。

まず、どこにどの程度のむし歯があるかを確認する

説明を受けるときは、「むし歯があります」という言葉だけで終わらせず、次の点を尋ねてみてください。

  • どの歯の、どの場所か。歯と歯の間、噛む面、詰め物の周囲など、場所を具体的に確認する。
  • 何を根拠に診断したか。口の中の写真やレントゲン写真があれば、一緒に見せてもらう。
  • 前回と比べてどう変わったか。以前の記録や画像があれば、今回との違いを聞く。
  • 今、治療が必要な理由は何か。穴が開いているのか、経過観察という選択肢があるのかを確認する。
  • 治療後はどう予防するか。今回むし歯になった場所に合うケアを相談する。

特に大切なのは、「むし歯と診断された=必ず今すぐ削る」ではないという点です。ごく初期の変化なら、フッ化物の利用や清掃・食習慣の改善を行い、定期的に状態を確かめる方法が選ばれることがあります。一方、すでに穴が開いていたり、進行が認められたりする場合は、修復治療が必要になることがあります。どちらが適切かは、その歯の状態を診察したうえで判断します。

分からない点は、遠慮せずに聞く

「前回は大丈夫と言われたのに、今回は大きなむし歯だと言われた」。そんなときは、疑問を抱えたまま治療を決める必要はありません。前回の診察内容、今回見つかった原因、治療を急ぐ理由を担当の歯科医師に質問してみてもよいかもしれません。

 

まとめ

定期検診を受けていたのにむし歯が見つかったとしても、それだけで「通っていた意味がなかった」とは言えません。今回見つかった段階で状態を把握し、必要な処置と予防を考えられることにも意味があります。大切なことは初診時にしっかりとしたレントゲン検査を行い治療の必要な箇所、今後治療の可能性がある箇所を把握しておくことです。

またむし歯になりやすい人、なりにくい人がいるようにむし歯リスクは人それぞれ違います。だ液検査を行い自分のむし歯リスクを把握し、自分に合った予防法を実践することは自分の歯を守る上で効果的です。

むし歯予防について気になった方は、まずはお近くの歯医者さんを受診してみて下さい。

監修者情報

こばやし歯科医院
〒185-0012
東京都国分寺市本町2-9-21
Tel:042-400-2004

院長 小林 達也

経歴 日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業

日本歯科大学新潟生命歯学部 臨床研修

医療法人社団幸誠会たぼ歯科医院 勤務

国家公務員共済組合連合会立川病院 歯科口腔外科 非常勤勤務

こばやし歯科医院 開院
資格 日本歯周病学会 専門医
臨床研修指導医