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顎関節症について

顎関節症について

顎関節症とは何か

顎関節症とは、耳の前方にある「顎関節」および、あごを動かす「咀嚼筋(そしゃくきん)」に痛みや違和感、機能障害が生じる疾患の総称です。口を大きく開けられない、あごを動かすと音が鳴る、あごが痛む、噛みにくいなど、人によって症状はさまざまです。日本では、若年層から中高年まで幅広い年代に見られ、特に女性に多い傾向があります。

顎関節は、頭蓋骨の側頭骨と下顎骨で構成され、関節円板という軟骨状組織がクッションの役割を果たしています。この構造がスムーズに動くことで、私たちは食事、会話、あくびなどの複雑な動作を自然に行うことができます。しかし、さまざまな要因によってこのバランスが崩れると、痛みや運動制限といった顎関節症が発生します。


主な症状

顎関節症は症状が多彩で、次のようなものが典型的です。

● 顎の痛み

顎の付け根やこめかみ周辺が痛くなることがあります。特に食事中、あごを動かすと痛みが増すことが多く、症状が進行すると安静時にも痛みが続くことがあります。

● 開口障害

大きく口を開けられない状態で、通常は指2〜3本分の開口が可能ですが、それ以下しか開かない場合は顎関節症の可能性があります。

● 雑音(クリック音・ジャリジャリ音)

口の開閉時に「カクン」「コキッ」「ジャリジャリ」といった音がすることがあります。これは主に関節円板の動きが乱れている場合に起こります。

● 咀嚼筋のこり・疲労感

食べると顎や頬が疲れやすい、筋肉の張りを感じるなどの症状です。

● その他の随伴症状

頭痛、耳鳴り、肩こり、首の痛み、めまいなどがみられる場合もあり、自律神経の乱れや筋緊張との関連が指摘されています。


顎関節症の原因

顎関節症は単一の原因で発生するのではなく、多くの場合は複数の要因が重なって発症します。主な原因として次のようなものが挙げられます。

● 噛み癖・食いしばり・歯ぎしり

歯ぎしりや日中の食いしばりは、顎関節や咀嚼筋に大きな負担をかけ、最も代表的な原因のひとつです。

● ストレス

ストレスは筋緊張を高め、無意識のうちにあご周辺の筋肉を硬くします。これが痛みや開口障害の原因となる場合があります。

● 噛み合わせの不調

歯の欠損や詰め物・被せ物が合っていない場合、無理な顎の動きが生じて関節に負担がかかります。

● 姿勢の悪さ

スマホの多用などで頭が前に出る姿勢は、顎関節に大きなストレスを与え、顎関節症のリスクを高めます。

● 外傷

転倒や事故であごに衝撃が加わった場合、関節円板の位置がずれたり筋肉が損傷したりすることがあります。


診断方法

歯科や口腔外科では、問診・触診・開口量の測定を行い、必要に応じてレントゲンやMRIを使います。特に関節円板の状態はMRIで確認されることが多いです。


治療方法と対処法

1. 保存療法(最も一般的)

顎関節症の多くは手術を必要とせず、次のような保存療法で改善します:

  • スプリント(マウスピース)療法
    就寝時に装着することで、歯ぎしりや食いしばりの負担を軽減します。

  • 理学療法
    筋肉のマッサージ、温熱療法、ストレッチなどで筋緊張をほぐします。

  • 薬物療法
    鎮痛剤や筋弛緩薬が症状緩和に用いられる場合があります。

2. 生活習慣の改善

顎関節症の再発防止には生活習慣の見直しが重要です。

  • かたい食べ物を避ける

  • 姿勢を正す

  • ストレスを溜めない

  • 頬杖をやめる

  • 無意識の食いしばりに気付く

3. 外科治療(まれに必要)

関節円板の大きなずれや関節の変形がある場合に、関節鏡手術などが検討されることがあります。ただし、非常に限られたケースです。


まとめ

多くの場合、顎関節症は適切な生活習慣の改善と保存療法によって良くなります。完全に治るまでに数カ月かかることもありますが、焦らず継続的にケアすることが大切です。また、再発しやすいので、日頃からあごに負担をかけない生活習慣が重要です。

顎関節症は身近な病気ですが、適切な対処を行えば改善することが多いです。症状が続く場合は、歯科や口腔外科での診断をおすすめします。

監修者情報

こばやし歯科医院
〒185-0012
東京都国分寺市本町2-9-21
Tel:042-400-2004

院長 小林 達也

経歴 日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業

日本歯科大学新潟生命歯学部 臨床研修

医療法人社団幸誠会たぼ歯科医院 勤務

国家公務員共済組合連合会立川病院 歯科口腔外科 非常勤勤務

こばやし歯科医院 開院
資格 日本歯周病学会 専門医
臨床研修指導医

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